VBAマクロ 高速化①　- 画面描画を止めたら2倍速くなった

VBAの処理速度が遅い時、高速化をするには画面描画を止めるという手があります。コードを書き替える必要なくできるので、もっとも手軽で結果も出やすい方法の一つといえるでしょう。

時間の計測をするコードはこちら。

VBAマクロ 高速化⓪　- 時間を計測する

VBAはじめ、手続き型言語というのはデータの先頭から最後のデータまでループを繰り返しながら処理します。そのためデータ数に応じてレスポンスが悪くなることが避けられません。 高速化のためには時間の計測をすることが第一歩です。まずは時間計測の方法を紹介します。

gizmiration.com

2025.01.01

高速化の効果測定に使う処理

処理前の状態と処理後の状態

A1~D10000までセル番号を記入したシートを用意しておき、これらを5列隣のF列～I列にコピペするマクロで、高速化の効果を計測してみます。
処理を重くするために罫線ごとコピーします。

【処理前の状態】

【処理後】
※思った以上に重くなりすぎたので、10000行ではなく100行にしました
　つまり、処理の終わりはこの形になります。

Option Explicit

Sub test_proc()
    Dim startTime As Double
    Dim endTime As Double
    Dim responceTime As Double
    
    startTime = Timer
    
    'メイン処理
    Dim i, j As Long
    For i = 1 To 100
        For j = 1 To 4
            Cells(i, j).Select
            Selection.Copy
            Cells(i, j + 5).Select
            ActiveSheet.Paste
        Next j
    Next i
    
    endTime = Timer
    responceTime = endTime - startTime
    
    MsgBox (responceTime & "秒")
End Sub

高速化前のソースコード

Option Explicit

Sub test_proc()
    Dim startTime As Double
    Dim endTime As Double
    Dim responceTime As Double
    
    startTime = Timer
    
    'メイン処理
    Dim i, j As Long
    For i = 1 To 100
        For j = 1 To 4
            Cells(i, j).Select
            Selection.Copy
            Cells(i, j + 5).Select
            ActiveSheet.Paste
        Next j
    Next i
    
    endTime = Timer
    responceTime = endTime - startTime
    
    MsgBox (responceTime & "秒")
End Sub

測定結果

11.55秒でした。

高速化のために画面描画を停止してみる

上のコードにこの2行を追加しました。
Application.ScreenUpdating = False ‘画面描画を停止
Application.ScreenUpdating = True ‘画面描画を再開

ソースコード

Option Explicit

Sub test_proc()
    Dim startTime As Double
    Dim endTime As Double
    Dim responceTime As Double
    
    startTime = Timer
    Application.ScreenUpdating = False  '画面描画を停止
    
    'メイン処理
    Dim i, j As Long
    For i = 1 To 100
        For j = 1 To 4
            Cells(i, j).Select
            Selection.Copy
            Cells(i, j + 5).Select
            ActiveSheet.Paste
        Next j
    Next i
    
    endTime = Timer
    responceTime = endTime - startTime
    Application.ScreenUpdating = True   '画面描画を再開
    
    MsgBox (responceTime & "秒")
End Sub

測定結果 処理速度2倍の効果

実行の途中経過が表示されず、終わった時にはじめて画面が更新されます。
実行時間は5.67秒でした。11.55秒→5.67秒なので、処理速度は2倍です。
※これはこの処理に限っての数値であって、常に2倍の効果が保証される訳ではありません

まとめ

• 処理中の画面描画を止めると高速化できる
• Application.ScreenUpdating = False ‘画面描画を停止
• Application.ScreenUpdating = True ‘画面描画を再開

VBAマクロ 高速化②　- 値だけ処理したら231倍速くなった

インプットデータをコピーするとき、copy、pasteメソッドを使うと時間がかかります。これはセルの色や罫線など色々な情報を全てコピペしているからです。 計算処理上、値だけが必要な際には、コピーペーストをやめることで高速化ができます。

gizmiration.com

2025.03.10

VBAマクロ 高速化③　- 配列化したら1480倍速くなった

セルを一つ一つ処理するよりも配列としてメモリ上に展開すると、高速になります。慣れるまで少々難しいかもしれませんが劇的に効果があります。

gizmiration.com

2025.03.11

このやり方はVBAエキスパートで深めることができます。