データをコピーするとき、copy、pasteメソッドを使うと時間がかかります。セルの色や罫線など色々な情報を全てコピペしているからです。
値だけが必要ならコピーペーストをやめることで高速化ができます。
マクロ記録機能で作ったものが遅いのは、これが原因なことが多いです。
VBA高速化のベンチマークに使う処理
処理前の速度は下記記事の高速化前の状態「11.55秒」をベンチマークにします。
今回は罫線を除いて値だけをコピーすることで、どのくらいの処理速度差が出るのか計測します。
そして今回の方法以外にも高速化の方法はあります。
組み合わせることで相乗効果が得られます。
COPY, PASTEをやめるとVBAは高速化できる
コピー&ペーストではなく、セルのvalueプロパティのみ書き換えます。
コピー&ペーストは罫線や色、フォントなどのすべてのプロパティ情報を変更するのに対し、対象を限定できるので高速に処理できます。
具体的には下記のような書き方にします。
Cells(i, j + 5).Value = Cells(i, j).Value
全体像は次の通りです。
高速化したVBAのソースコード
Option Explicit
Sub test_proc()
Dim startTime As Double
Dim endTime As Double
Dim responceTime As Double
startTime = Timer
'メイン処理
Dim i, j As Long
For i = 1 To 100
For j = 1 To 4
Cells(i, j + 5).Value = Cells(i, j).Value
Next j
Next i
endTime = Timer
responceTime = endTime - startTime
MsgBox (responceTime & "秒")
End Sub
値だけ処理したら231倍速くなった
測定結果は0.046秒でした。
11.55秒→0.05秒なので、処理速度は231倍です。

100倍の10000行で比較してみる
高速化前の処理時間
100倍の処理量でも実行してみました。10000行です。
下記記事で計測した通り、高速化前のコードでは1101.99秒でした。
処理量が100倍になって処理時間も100倍です。
値だけ処理したら496倍速くなった
今回高速化した方では2.22秒でした。
処理量100倍なら処理時間も100倍で0.046秒→4.6秒かと思いきや、処理時間の増加は50倍ほど。
つまり処理量が増えるほど効果も大きくなっています。
高速化前が1101.99秒なので、1101.99÷2.22で処理速度496倍の効果。

まとめ
- COPY, PASTEではなくValueを書き換える処理にすると高速化できる
- 今回の処理での効果は231~496倍の効果
※この処理での数値であって、常にこの効果が保証される訳ではありません - 処理データ量が多いほど効果も期待できる
このやり方はVBAエキスパートで深めることができます。
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